初めてトライするメーカーのキットです。登場時からガレージキット的なアイテム展開で始まったので、「大丈夫かいなぁ」と少し心配したのですが、そんな心配をよそに続々と珍しいアイテム展開で楽しませてくれている元気なメーカーですね。若干、ドラゴンとのバッティング・アイテムがあり、この「デッカーマックス」もほぼ同時期に発売されました。もう一つ珍しいのが、現時点(2007年)でW号戦車の車体が利用されている車両のみで戦車型は、まだ発売されてないと言う不思議なメーカーです、まぁ、何れは「W号戦車H型」をポッと出しそうですね。
製作過程
説明書は20ページからなるBook型でとても見やすいです。
1.転輪、起動輪、誘導輪の製作からです。誘導輪にはエッチングパーツを貼り付けます。転輪のPL(パーティングライン)はそんなにも目立ちませんが、軽くヤスるだけでOKでしょう、起・誘動輪のバリ取りをしっかりと行います。この、バリ取りが最後まで付きまといますので・・・諦めが必要ですよ!
2.ダンパー(A11,12)、上部転輪、デファレンシャルカバー(B4,6)を取り付けますが、私はいつものようにロコ式履帯で塗装するので、上部転輪はこの時点では接着しません、デファレンシャルカバーに取り付けるボルト(B38)は、ランナーにモールドされているのを削ぎ取るので、良く切れるデザインナイフで作業します。ピンセットではなくナイフの先端にボルトを着けて接着します。
3.リアパネル・ハッチ(E35,36)は開閉選択式で接着します。予備転輪は塗装後に取り付けます。
(E21,22)は履帯の張り調整を行うので、履帯の取り付け時に固定した方が良いでしょう。
4.5.転輪台車は可動式に成っていますが、そんなに動きません!固定してしまう方が無難でしょうね、取り付け面を平らにしてから車体に接着します。
6.転輪を取り付けます。ロコ式に組み立てる場合は接着しません!固定される場合は転輪のみ行い、起動・誘導輪は履帯を固定する時に同時に接着します。
7.履帯の組み立てですが、このキットはベルト式と連結組み立ての2タイプ同梱しているので、どちらかを選択して取り付けます。ベルト式のモールドも雰囲気は出ていますが、垂れ下がりを再現するならば、連結式をオススメします。合いも良く組み立てやすいですよ、取り付け時の向きには注意しましょう!前から見てハの字が正解です。
9.変速機、操縦席、の組み立てですが、車体前部ハッチ類は少々の加工で開状態にするならば、作り込めば良い雰囲気が出ているので、手を入れる価値はあります。キットのままで組み立てる場合、完成後は見えませんので9〜13まで飛ばしても良いでしょう、ただし、(L4)は上部パネルのガイドになるので接着しておきます。
14.(F52)は底面に取り付けます。
15・16.上部パネルの取り付けですが、3ヶ所に開口指示があるので忘れずに開けておきます。前面部の穴はトラベリングクランプの基部の取り付けガイドですので、クランプを取り付けない場合は開けないでおきます。リアフェンダーに着くスプリングパーツNoが間違っています。A13となっていますが、正しくは(A3)が正解です。
17.戦闘室の底部の組み立てです。シートの背もたれは可倒の選択式です。
18.砲架の組み立てです。合わせ目消しとPLをしっかり処理を行えば、問題なく組み立てられますが、(F35)と(F3)の組み立ては注意して真っ直ぐに接着します。
19.砲架を取り付けとなっていますが、内部塗装後に車体に接着します。
20.戦闘室上面パネルの組み立て。(F40)はガイドの指示のままだと車体と干渉したので、ガイドを削って取り付けました。
※ここで、戦闘室内の塗装をしておかないと、取り付け後には塗れませんので・・・ここが、邪魔くさい所ですなぁ!!
21.内部を塗装済みの戦闘室パネルを接着します。若干の隙間が戦闘室前と車体パネルに隙間が出来るかもしれませんが、溶きパテを流し込んで半乾き時にラッカー溶剤で隙間以外の部分を筆で拭い去るとペーパー掛けが最小限で済みます。(F44)もキッチリと摺り合わせて接着します。
22.予備履帯止めに着く蝶ネジは細かいので飛ばさないように注意します。(私は飛ばしましたので)、マフラーは錆のウェザリン後に取り付けました。完成後にフェンダーが赤くなるのが嫌だったので、
23.ワイヤーはガスコンロで焼きなましをして柔らかくしました。車体への取り付けですが、私は、エッチングの取り付けフックを先にワイヤーに取り付けてから車体に接着しました。この方が簡単だと思うのですが・・・
24.砲身の取り付けとなっていますが、ウェザリング前に接着した方が邪魔にならなくて良いですよ
マズルブレーキもこの時点で取り付けておきます。
塗装
まず、戦闘室内をしっかりとマスキングします。内部に入りそうな箇所も同じくマスキングしておきます。その後に、サーフェイサーを吹きます。
基本塗装
ガイアカラーの「ドゥケルグラウ」+「ホワイト」+「ミディアムブルー」を基本塗料とし全体に吹きました。陽の当たる箇所には基本色に「セールカラー」を混ぜて吹いてます。車体下部に埃色としてタミヤアクリル「ダークアース」+「デザートイエロー」の混色を吹いてます。乾燥後に半ツヤクリアーを吹きました。
装備品
車体色が暗めなので、柄の部分は明るめに塗り、消火器も車体色ではなく派手に赤色でアクセントをつけました。なかなか良い雰囲気に仕上がりましたよ、
ウォシング
油彩の「セピア」と「ローシェンナ」をペトロールで少し濃いめに施しました。汚れと雨垂れを同時に再現したかったので、拭き取りは2〜3時間ほど置いて作業しました。濃いめに塗っているので上から下へと綿棒で慎重に拭き取ります。乾燥後にダマにになっている箇所があれば繰り返し拭き取ります。隅の方は筆で拭き取りました。良く乾燥させてから、仕上げのつや消しクリアーをスプレーしています。
ウェザリング
MIGピグメントとパステルで施しました。パステルの定着にはクレオスの水性溶剤を使用してます。
車体前面部に土埃が舞い上がってる状態にしています。
フィギュア
フィギュアはドラゴン「New自走砲クルー」を使用しました。
車内に搭乗させている兵士は足と右手を切りつめて、砲鏡を覗き込んでいる兵士は右腕と左足を少しだけ改造しました。車長はキットのままです。塗装は下地はタミヤアクリルで顔はタミヤエナメル、軍服はタミヤアクリルとエナメルで仕上げました。雰囲気重視で乗せましたので、細かくは手を入れていません。
ジオラマ
ベースは組み立て家具の端材に紙粘土を盛りつけて乾燥させてから、園芸用の赤玉土を粉砕させて物を撒いています。草は麻紐のほぐした物とミニ箒を細かく刻んで敷きました。
塗装は、土の部分にはタミヤアクリル「ダークアース」+「ダークイエロー」+「Fブラウン」、草は同じ塗料の「ディープグリーン」を吹いて、その上に「NATOグリーン」で明るい部分を塗って仕上げに軽く「ダークイエロー」をのせてます。最後にフィギュアをセッテイングして完成です。
車両
基本塗装(ラッカー)
GAドゥケルグラウ+GAホワイト、上面部部にMセールカラーを混ぜました。
履帯(アクリル)
Tフラットブラック+Tジャーマングレイ
装備品(アクリル)
鉄部分:Tフラットブラック+Tダークグレイ
木部分:Tデザートイエロー、Tフラットブラウン、Gウッドブラウン+Gサンディーブラウン
ウォッシング(油彩)
油バーントアンバー+油セピア
墨入れ(油彩+エナメル)
油バーントアンバー+油セピア+油チャコールグレイ
ウェザリング
MIGピグメント+パステル
茶系と黒系を混ぜています。
チッピング(エナメル)
Tハルレッド+Tダークグレイ+Tジャーマングレイ、Tフラットレッド
ドライブラシ(エナメル)
車体:Tダークグレイ+Tデッキタン+Tミディアムグレイ
金属:Tクロームシルバー
フィギュア
下地塗装(タミヤアクリル)
顔:Tフラットフレッシュ+Tダークアース+Tフラットブラウン+Tフラットレッド
軍服:Tフィールドグレイ+TNATOグリーン、Tフラットブラック
メイン塗装(タミヤエナメル+油彩)
顔:Tフラットフレッシュ+Tダークアース+Tフラットブラウン+Tフラットレッド+油イエローオーカ(基本)
陰影:Tフラットブラウン+Tフラットレッド+Tフラットブラック、油ローシェンナ
明部:Tデッキタン+Tフラットホワイト
軍服:Tフィールドグレイ+Tディープグリーン(基本)
陰影:Tディープグリーン+Tダークグリーン、Tフィールドグレイ
明部:Tフィールドグレイ+Tフラットホワイト
カラー表記前にあるアルファベットは
T=タミヤ アクリル・カラー
T=タミヤ エナメル・カラー
G=GSIクレオス 水性ホビーカラー
M=Mrカラー
GA=ガイアノーツ・カラー
油=油絵の具
製作期間= 23日
塗装期間= 14日
ベース製作= 7日
フィギュア= 6日
トータル製作期間=50日
トータル製作時間=106時間
別途購入品=ミニ箒(ジオラマ用)
紙粘土(ジオラマ用)